絵画修復家のアトリエから

加賀優記子……絵画修復家

 

皆様こんにちは。

先頃カルチャーセンターで、絵画技法と作品の劣化との因果関係についての講演会を行った事がきっかけで、クサカベの綿氏からこの欄に何か書いてみないかというお話をいただきました。

日頃はこの様に技法や美術史について、また修復とはどんな仕事であるかをルーブルでの体験談を交えてお話をすることが多いのですが、ここでは画材店、メーカーの方等材料に詳しい方が多くお読みになるという事ですので、日頃気にかかっている絵具やニスの事についても折りに触れて書いてみたいと思っています。

さて、今回は第一回目ですので、まず白己紹介を兼ねてこれ迄私のたずさわってきました仕事についてお話致します。

武蔵野美術大に在学中に、古典絵画の勉強を志ボザール

した私は、パリに渡りました。パリ国立美大で勉強するかたわら、プライベートの修復工房で修業をしていましたが、1986年に、ルーブル美術館専属修復家、クシェジェンスキー氏に師事し、同美術館契約修復員として92年迄に多くの作品を修復する機会を得ました。

ルーブル美術館天井画ルイ・フイリップの間、デユカの間(ブロンデル作)、ドラクロワ作「サルダナパールの死、プリュ・ドン作「キリスト礫刑」、